町のバイク屋 その③。

バイクetc.

バイク屋の看板。バイク屋の看板ってHONDA、YAMAHA。SUZUKI、KAWASAKIといった四大メーカーの看板が店舗の目立つ場所に掲げられ、肝心の個人商店名というと入り口のガラス戸に控えめに小さくカッティングシートで成型、貼ってあるケースが多かったような気がする。

ジャンクのスクーターやカブが置いてあるとバイク屋らしくていいあまり小ぎれいなだとちょっと…。

70年代、80年代のバイク屋。個人経営の店舗の入り口は大体、アルミ枠ガラスの四枚建ての引き戸だった。入り口がガラス張りで店内の様子、展示しているバイクが外から見ることができた。真ん中の引き戸を開け入ってすぐのコンクリートの床が整備工場。ガラス越しに光りが入る。大掛かりな照明装置を装備しなくても裸電球一個でバイクの細部までよく見える事から入口で整備したのだろう。床は長年に渡る苦労の結果、汚れては洗い、汚れては洗いを繰り返し黒い汚れが消えずに染みついていた。新車、中古、大型、小型バイクに囲まれツナギ姿のオヤジが床に片膝をついてバイクと無言の格闘していた。油で黒ずんだ軍手。頬には汗を拭きとった時についた油の痕。店の奥にはカウンターが据え付けられそこが事務所兼喫茶室、客との談笑の場所だった。80年代のバイクブームから店舗はかなりカジュアルで清潔、整備は店裏で行うようになった。汚れの部分を見せないのは、それはそれでいい。が、軍手でスパナを握り丁寧に整備されるバイクを傍らで見ていると「オレのバイクもああやって整備されたんだなぁ」という安心感があった。他方、まだ若いせいもあり、仕事中に声をかけると「仕事の邪魔になるかしら?」と遠慮がちになってしまう。今でもそうだけど…。

カワサキ Z900RS SE Yellowball イエローボール(綽名:Luckyball、ラッキーボール)磨かれて曇りのないショウウインドウに映るゼットより黒ずんだコンクリートの床に立つゼットの方がずっと絵になる。

僕は年寄りなのでこんな感じの店の方が入りやすい。

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