岩手県 県道29号線・・野田村の電話の無い茅葺の宿・「苫屋」 その③・・囲炉裏の`炎´を見ている時は話しかけて欲しくない。

県道もしくは名も無き道

岩手県・野田村の宿・「苫屋(とまや)」。カワサキ Z900RS SE Yellowball イエローボール(綽名:ラッキーボール Luckyball)を駆って北上。季節は秋の終わり。130㌔ほどのライディング。冷えた体を囲炉裏(いろり)端で暖める。これバイクの楽しみの一つ。車のドライブでは味わえないライダーだけが知る楽しみ。宿の主人に薪をくべる(注)事を所望…しなくとも自動的に薪がくべられた。しばらく燃え上がる`炎´を見ていると心が安らぐ。無我の境地に達する。`炎´の赤い揺らぎを見ていると飽きない。「会話」など要らない。

「柿は燻(いぶ)すと一年ほど持ちます。保存食です」と宿の主。

「パチパチ」と音を立てながら、くべられた薪が燃える。火力が大きくなるにつれ暖かさも増す。暖を取る際、僕にとって最もいい燃料は`木´だ。60数余年の人生系経験で学んだ。「灯油、ガス、電気」。現代では主流となっている燃料。これらは、`木´より使い勝手がいいが、室内が乾燥するという欠点がある。加えて、二酸化炭素の排出が多い。その点、`木´は`炎´の遠赤外線効果で「ポカポカ」と暖かいし、なんといっても、室内が乾燥しない。喉に優しい。肌に潤いをもたらす。髪の毛が「パサパサ」しない。乾燥は感染病など病気を助長する。その乾燥を防ぐためには`木´を暖房の燃料とすることには利点がある。二酸化炭素の排出も`木´の場合は「木材のエネルギー利用は、大気中の二酸化炭素濃度に影響を与えない」。ゼロカウントになっている。難点は、火災、やけどなどの事故災害の心配が絶えない事…これらの要素を鑑みても、冬場の乾燥、感染症対策として`木´は優れている。薪ストーブが設置できる家が欲しいと思う時は多い。

アウトドア、野外で、焚火を眺めていると「心が安らぐ、見飽きない」と言った事が語られるがその通りだと思う。「野外はちょっと苦手。風が吹くと安全性、煙、火の粉の舞いなど心配があり大変。虫は寄ってくるし、他人の目も気になる」。でも、囲炉裏は室内。ちょっと煙い、板張りの床の硬さを我慢、それに上手く対応できれば、ゆっくり動く`炎´を見て、「物思い、無我の境地、無念無想になる。嫌な事、嫌な奴を忘れられる」。そういう、一時(ひととき)を過ごせる。囲炉裏端(いろりばた)効果だ。お尻が痛くなるのは我慢しよう。

宿の主に「すいません。少しの間、`炎´だけを静かに見ていたいのですが」と言えば、そうしてくれるだろう。

(注)燃料を足す事です。

KSR‐Ⅱでも行きたいが、その際は、一泊したい距離だ。

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