真冬の三陸。見どころはなんといっても「朝焼け」。澄み切った大気。ほのかに明るくなる水平線の彼方。海は凪いでいる。冷たく乾いた空気。吐く息は白い。やがて灰色の水平線が淡い橙(だいだい)色に変わる。痺れるような寒さの中、ゆっくりと顔をのぞかせる太陽。その姿が全て現れるとまさに`旭日´(注)。赤と黄色に燃えさかる松明(たいまつ)のような太陽が水平線の上に現れる。波打つ水面に反射しながら見る者に向かう一条の光。神々しい風景だ。でもその風景を見るため45号線をカワサキ Z900RS SE Yellowball イエローボール(綽名:ラッキーボール Luckyball)で走ろうとは思わない。車で走ろう。
もはや国道45号線から「朝焼け」が見える場所というのはないのかもしれない。ウィキペディア(Wikipedia)の解説を一部引用すると、「1963年(昭和38年)に他の二級国道102号八戸弘前線の一部区間と統合するかたちで、一級国道の第三次路線指定を受け、一級国道45号として指定された。その当時は、三陸のリアス式海岸の特徴でもある長大な海岸線沿いに道路が走っていたことから、岩手県内だけでも約330 kmもの道路」だった(一部編集あり)。子供の頃の記憶では、釜石近辺も国道は海岸線沿いを通っていたのでよく海が見えた。夜間は数隻のイカ釣り船のやや赤みを帯びた漁火、一個一個が揺れ動くのが、真っ暗な海上に映えて美しく、風情のあるものだった。しかし、「道路の状態も悪く、通行に10時間以上を要する道路(Wikipediaより)」の改良のためバイパス化とトンネル化を進めたため海との距離ができてしまった。
走りの季節になったらカワサキ Z900RS SE Yellowball イエローボール(綽名:ラッキーボール Luckyball)で45号線の風となり、日の出が望める場所を探し出したい。三陸はリアス式海岸。半島が海上に伸びているため日の出はその半島から顔をのぞかせる事が多い。そのため、水平線から見える日の出を見られるポイントは少ない気がする。手軽に行ける候補地としては、岩手県下閉伊郡山田町船越の四十八坂展望台がまずある。
(注)朝日の事。勢いが盛んな事。
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