ミスター・バイク Mr.Bike その②・・ハァ~とため息の出るほど落差の激しい雑誌でございました。

バイクetc.

最高の表紙。「往く道は風なり」。瓦葺(かわらぶき)の民家を背景に、菜の花畑の中央でポーズを決める細身のリーゼントのバイク野郎。革ジャンに皮パンツ。この号を手にした時「服装はこんな感じに決めたいな。こんな野郎になりたい!」と思った。これまで過去に見たバイク雑誌の中でこの表紙が最高に決まっていた。カワサキ Z900RS SE Yellowball イエローボール(綽名:ラッキーボール Luckyball)を前にしてこんな写真を撮りたい。アイキャッチ画像、2010年(平成22年)7月号で廃刊になったオートバイ雑誌、『ミスター・バイク Mr.Bike』。発行所・㈱モーターマガジン社。

1981年。7月号。なんてキャプションをつければいいのだろう。

一方、「何この雑誌?。本当にバイク雑誌?」と首を捻(ひね)らざるを得ない表紙もあった。左の写真の号は、革ジャンを着たレオタード姿?のお姉さん。しかも、バイクはホンダ(Honda)のシルクロード。このバイク、乗ったことがあるが、スーパーローギアという一速より低いギアを装備。そのギアを入れクラッチを繋ぐとアクセルを開かなくともアイドリング状態でもトコトコ走った。「ごつい」とまでいかない、オフローダーとトライアル車の中間みたいな、どっちつかずのバイク。アスファルトで舗装された街乗り、轍(わだち)が残る未舗装の田舎乗り、どちらでも似合うバイクだった。このバイクとこの姿の女性はどう考えても合わないと思うが…、その辺が、雑誌ミスター・バイクだった。アイキャッチ画像の表紙の見出しには「往く道は風なり」、いかにもバイク雑誌らしい見出し。記事の内容も走りに徹している。「おー、シブい」。一転して、お姉さんの号は、「ぬれちゃうバイブレーションは、あるか?」の見出し。ブログに掲載するのが恥ずかしい。「いや、いや、貴方たちは何を考えているの?」と問いただしたくなる。その記事の中見出しに「なにごとも、大マジメ、真実一路に取り組まんとするミスター・バイクなのであります」とのたまい、泌尿器科の専門医に取材する。僕、開いた口がふさがらない。コメントしようがない。お姉さんの方が1981年、決まってるアンちゃんが1982年。最終号に掲載された過去の雑誌の表紙を見直したら数年に一度、「あー、やっぱ、ミスター・バイクだ。`傾(かぶ)いた雑誌´だ」と再認識させられる表紙がありました。

その昔、「三ない運動」という有害雑誌を健全な青少年の目に触れさせない運動があった。家庭から性を扱った雑誌を一掃すると称して「見ない、読まない、買わない」を標語とする悪書追放運動だった。そのうち、マンガ雑誌なども標的になり駅などに雑誌回収ポストが置かれ、有害と見なされる雑誌が投函できるようになっていた。1980年代にはそのポストは見られなかったが、内容からするとミスター・バイクはその悪書に該当したかもしれない。

1983年6月号の表紙。湖畔にバイクとともに佇むライダーの絵画の表紙も良かった。昔、この号を表紙だけ切り取り保存。ただ、引っ越しの際、処分してしまった。失敗。僕にとってこの二冊の表紙がバイク雑誌の表紙のベストだ。バイク雑誌が激減した今、永遠に僕の人生のスリーの無いベストツーの表紙になるだろう。

たわわに実った黄金稲穂」。カワサキ Z900RS SE Yellowball イエローボール(綽名:ラッキーボール Luckyball)に似あう。その内、菜の花畑を探して撮影しよう。

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