岩手県 県道29号線・・野田村の電話の無い茅葺の宿・「苫屋」 その④・・家の中は煤けているが…。

県道もしくは名も無き道

岩手県・野田村の宿・「苫屋(とまや)」。囲炉裏の傍らに座り、台所になっている部屋の入口を見ながら宿の主人に訊ねた「土間が無いようですが『竈(かまど)』はないのですか?」。「ありません」。「そうですか。土間になっている場所はあったと思うのですが?」。「ええ、今、玄関になっている所が土間でした」と主人が答えた。

明るく撮っているが、実際は薄暗くハッキリ見えないと思う。

ウィキペディア(Wikipedia)から引用させてもらうと「囲炉裏(いろり、居炉裏とも表記)とは、屋内に恒久的に設けられるの一種[1]。伝統的な日本の家屋において、を四角く切り下げてを敷き詰め、(たきぎ)や炭火などを燃やすために設けられた一角のことである[2]天井から吊るした自在鉤(じざいかぎ)に鍋や鉄瓶を掛けて調理・炊事に使うとともに、暖房照明の役割を担った[2]。囲炉裏の近くを囲炉裏端(いろりばた)[3]と呼び、家族団欒の場となった[2]。数える際には「基」を用いる」とある。家の中は、全て長年の囲炉裏の使用で煤けて黒っぽくなっているが、不思議なことにべたつきはない。着座して微かに香る木の焦げの匂いに慣れ、部屋の中にタールのべたつきがないのが分かると居心地は落ち着く。気分が落ち着いてくる。和(なご)む。

50年前、僕の子供時分。父の実家ー気仙郡住田町上有住ーには『竈(かまど)』が住居の台所にあった。そこは長年踏み固められた土の土間になっていて、長椅子と長い食卓(テーブル)が置いてあった。大家族で食事が取れるようになっていた。母の実家ー遠野市青笹ーも土間に『竈(かまど)』があり、こちらは土間より50㎝ほど高い場所に30畳ほどの広さの座敷を拵(こしら)えてあった。いずれも煙突がついており煙は屋外に排出されるようになっていた。ただ、火をつけて薪に完全に火が回るまでは煙かった。『竈(かまど)』。そこで火を熾(おこ)すのは子供にとって大変面白い遊びだった。そして、火をつけて遊んでいると必ず叱られた。「コラ!。かまどで火遊びをすると火の神様のバチが当たるぞ!。おねしょが直らないぞ‼」と。

ウィキペディア(Wikipedia)によると「『竈(かまど)』は石や土などで囲みを作るもので、上部にをかける構造になっている。かまどの囲いにより、放射で熱が逃げることを防ぐことができる。調理者も裸火の放射熱に晒されなくて済み、より高温の炎で調理出来るため調理時間の短縮にも繋がる」とある。

太い梁染みついたタールが160年の月日を物語る。天井は張り替えたばかりなのか煙で燻(いぶ)されていない。

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